『春、上野に舞う。第93回 池坊展への出瓶と満開の桜に寄せて

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上野の春と池坊展

2026年3月21日から30日まで開催された「第93回 池坊東京連合支部いけばな池坊展」。
私はそのうち、29日から30日までの2日間、作品を出瓶いたしました。

会場となった東京都美術館周辺の上野公園は、ちょうど春の陽気に包まれ、生命の輝きに満ちあふれていました。
不忍池のほとりや公園の並木道も、ほぼ満開。

風が吹くたびに舞い上がる花びらと、お花見を楽しむ人々の笑顔が重なり、街全体が春を祝っているかのようでした。


作品紹介:テーマ『陽春(ようしゅん)』

今回出瓶した作品です。

テーマ: 陽春 — 暖かな光が降り注ぐ、心躍る春。
花材: バラ、デンファレ、オンシジウム、セキショウ、カスミソウ、カポック
花器: ガラスの一輪挿し

【こだわりポイント】
今回の作品では、春の情景を「鏡」と「色」で表現しました。

桜が咲く季節特有の、雨上がりの風景。そこに生まれる水たまりをイメージし、鏡板に青色を重ねることで、空を映し出す水面を演出しています。

また、ブルーの器で春の爽やかな風を表現。全体は明るい色調でまとめながら、視線が最初に集まるメインのバラには、あえて深みのあるワインレッドを選びました。

さらに器の色味に変化をつけることで、作品全体を引き締めています。


伝統と季節に触れて

今回で3回目となる出瓶でしたが、無事に2日間を終え、大きな達成感に包まれています。

まだまだ学ぶ立場ではありますが、会場に並ぶ他の方々の圧倒的な迫力や、池坊らしい気品あふれる作品の数々に触れ、背筋が伸びる思いでした。多くの刺激を受け、花を通して季節と向き合う豊かな時間を、改めて実感した3日間となりました。

ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました。

いけばなの展覧会は年間を通して各地で開催されています。もしこの投稿をきっかけに少しでも興味を持っていただけたなら、ぜひ一度、お近くの花展へ足を運んでみてください。

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